木谷ドクターブログ

2023/03/26

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薬には必ず副作用があります

医療は100%安全・安心ではありません。それは病気に対する治療も美容治療も一緒です。

医療にリスクはつきものです。残念ながら効果がない人、副作用が出てしまう人もいます。

 

治療を開始する前にはしっかりメリットもデメリットもお話します。

例えばヒアルロン酸

怖い話ですが、ヒアルロン酸で皮膚壊死、アナフィラキシーショック、失明(血管閉塞による)などが副作用として報告されています。怖すぎですね。ヒアルロン酸したい!と来院されても、副作用のことを聞いて辞めようとなる方が一定割合いらっしゃいます。

100%の安全を確保できるものではないので、ヒアルロン酸治療をしないと決断することは素晴らしいと思います。もともと美容治療なんて、しなくても問題ないことなので。もちろん、当院では無理にすすめることはしません。むしろ不安に思うのであればやめましょう、と言ってます。ですが、一応副作用のことで付け加えてお話ししています。

 

市販のかぜ薬はどうですか?かぜ薬で怖いと思ったことはありますか?

病院で処方されるものではなく、薬局ですぐに買えるかぜ薬です。

かぜ薬が怖いと思っている方は少ないと思いますが、薬なので副作用はあります。実は怖い一面もあるのです。

 

消費者庁の発表によると2009年~2013年の5年間で一般用医薬品(処方箋なし、薬局で買える薬)による副作用の報告は1225例あり、そのうち15人が死亡、死亡例のうち8例はかぜ薬、3例は解熱鎮痛剤でした。

毎年1人以上かぜ薬が原因で死亡しています。ヒアルロン酸の副作用で死亡した報告は、私が検索した中では認めませんでした。

 

私は市販のかぜ薬が原因でスティーブンス・ジョンソン症候群を発症した症例を2例治療した経験があります。

スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)は皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれ、口唇・口腔、眼、鼻、外陰部などの粘膜にびらん(ただれ)が生じ、全身の皮膚に紅斑(赤い斑点)、水疱(水ぶくれ)、びらんなどが多発する病気です。発熱や 全身倦怠感 などの全身症状も出現します。スティーヴンス・ジョンソン症候群と中毒性表皮 壊死 症は重症多形滲出性紅斑といわれる同じ疾患群に含まれ、びらんや水疱など皮膚の剥がれた面積が全体表面積の10%未満の場合をスティーヴンス・ジョンソン症候群と呼んでいます。(難病情報センターHPより引用)

 

私が治療にかかわった2例は幸いにも治癒しましたが、集中治療室で生死をさまよう状態でした。かぜ薬で死亡しなくとも重篤な状態になる可能性があるのです。

くすりは怖いと言いたいのではありません。薬も100%の安全・安心ではないのです。必要であれば薬を使うべきですが、不必要に薬は摂取すべきではありません。このように重篤な状態を引き起こす可能性があるものは、薬だけではありません。食べ物でアレルギー反応のために死亡することもあります。

 

死亡する可能性があるかぜ薬よりも、死亡例がないヒアルロン酸の方が安全だと私は思っています(あくまで個人の見解です)。何を重要視するのかは、ひとによりけり

 

 

 

 

 

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