木谷ドクターブログ

2023/03/12

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日焼けマシンの危険性

ガングロというスタイルが流行した時期もありました。日焼けした小麦色の肌が健康的でいいと言われることもありました。日焼けする(=太陽の光を浴びる)ことは人間の体にとって重要なことです。太陽の光は骨の健康に欠かせないビタミンDの生成を促したり、ストレス解消や集中力を高めるのに関わるセロトニンの分泌を促してくれます。ただし、過度な日焼けは皮膚がんを発症したり、皮膚の老化や劣化を促進させてしまいます。

近年、日焼けマシンを使う人は少なくなっていますが、ボディービルやボディメイク競技をされている方など、一部では一般的に使われています。しかし、2009年に世界保健機関の国際がん研究機関が日焼けマシンは発がん性リスクを確実に高めるとして、発がん性リスク分類でもっとも危険性の高い『グループ1』に分類しました。

この時点ではすべての皮膚がんのリスクを高めるというデータはなく、悪性黒色腫(メラノーマ)のリスクを高めるというデータでした。悪性黒色腫は人種差があり、白人で頻度が高いのですが、日本人は10万人に1-2人程度で希少がんとして扱われています。そのため、日本人には関係少ないね、というように捉えられていた面がありました。(といっても、悪性黒色腫は非常に悪性度が高く生命予後は悪い、とても怖いがんなんです)

しかし、日焼けマシンが悪性黒色腫以外の日本人にも多い皮膚がん(基底細胞がん、扁平上皮癌)の発症リスクになるという報告・論文がたくさんでています。

日焼けマシンは皮膚がんの発症リスクを高めるので、使用しないことを強く推奨します。

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