木谷ドクターブログ

2023/02/20

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形成外科とは

わたしは形成外科医です。

わたしが形成外科医になった頃よりも形成外科の認知度は高くなっていますが、皮膚科、眼科、整形外科など専門診療科に比べて、なじみが薄い診療科です。

 

目がかゆくて→眼科

蕁麻疹がでた→皮膚科

膝が痛い→整形外科

さて、形成外科は何をしているところでしょう?

 

『セイケイゲカ?』『整形(美容整形)ですか』といまだに言われます。形成外科は体の表面の異常や変形を治したり、病気で無くした組織や機能を作ったりします。病気やけがで悪くなってしまった見た目を改善する外科なので、頭や顔面を含めた体全体が治療対象です。簡単に言うと見た目を気にする診療科です。ほくろやあざ、生まれつきの手足・顔貌の変形、病気やけがの治療に伴う変形などの治療をおこないます。

コップが割れて手をけがしてしまった。深い傷なので縫わないといけない。外科と名前の付くところであれば、縫合処置はできます。決まりごとのように1週間後に糸を抜いておしまい。

 

形成外科では縫合方法が違います。まずは真皮縫合。皮膚の中を吸収される糸で縫います。この状態でも傷はぴったりくっついているように見えます。さらに表皮縫合で表面にできるわずかな段差を調整します。できる限り細い糸を使って縫合します。抜糸は部位や状態によりますが、早ければ3日ぐらいで抜糸することもあります。糸を必要以上に置いていると糸の跡が残ってしまうためです。抜糸が終われば終了ではありません。抜糸した後は後療法をします。傷跡は広がろうとする性質があるため、幅が広がらないように、肥大しないようにテープで保護します。縫合して抜糸した後も非常に重要なんです。

 

『何針縫ったんですか?』よく聞かれます。

10針縫いました。

『えぇ、10針も!!』

 

他の外科の先生であれば3針程度で終わるところも、形成外科の医師は細かく縫うことが多く10針と倍以上になることもあります。10針縫う大ケガをしたなど表現することもありますが、何針縫ったかはケガの指標にはなりません。

 

きれいに治す、これを目標とするのが形成外科です。病気やケガの治療でも見た目を気にする形成外科なので、美容医療もする形成外科医が多いのは納得いただけると思います。

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