木谷ドクターブログ

2023/02/20

#

ノンコメドジェニックテスト済み

ノンコメドジェニックの方が良いんですか?

ニキビで悩んでいる方にはノンコメドジェニックをお勧めします。ニキビで困っていなければノンコメドジェニックなものを選ぶ必要はないでしょう。ノンコメドジェニックなものは皮脂の抑制や油分を控えめにという点を考えた配合になっているで、乾燥状態の肌の方はむしろ選ばない方が良いでしょう。

 

ノンコメドジェニックな製品はどう選べばいいのでしょうか?ノンコメドジェニックテスト済みの製品を選べばいいの?

 

ニキビ治療ガイドラインでは

『痤瘡患者への使用試験が報告されている低刺激性でノンコメドジェニックな痤瘡用化粧品を選択するなどの配慮が必要である(原文まま)』(痤瘡:にきびのこと)と記載されており、医師もニキビで悩んでいる方にノンコメドジェニックな製品を勧めることが多いです。

 

しかし、ノンコメドジェニックテストは国が決めたことではありません。統一された規則・規定・基準はありません。メーカーや調べる機関によって違いがある、というより基準や規定が開示されていないためわかりません。

 

ノンコメドジェニックテストで気になること

  • 背中の皮膚でテスト

テスト部位は主に背中。上腕(二の腕)でテストする機関もありました。私が調べた中に顔でテストしているところは見つけられませんでした。背中はヒトの皮膚で一番厚いところ、それに比べ顔の皮膚は薄いです。まぶたの皮膚はヒトの皮膚で一番薄いところです。人の皮膚でも顔と背中ではかなり違いがあります。顔で使う化粧品でも、顔でテストしてないんです。

  • 男性だけ調べることも

テストは男性だけすることもあるようです。女性向け化粧品であれば、女性を対象に調査をおこなうべきだと思いますが、ある調査機関ではテストは男性でおこなうと記載されていました。女性向け製品でも男性のみにされている製品があるかもしれません(これは単なる推測になります)。開示されてないためわかりません。

  • テスト方法がばらばら

調査期間が2週間のこともあれば4週間、6週間していることもある。あるところは週3回パッチを背中に24時間貼る。1回あたり48時間貼る方法もある。

  • 一番気になったのは合格基準

コメドが全くできないものだけが合格なのだろうか?全くできないものだけが合格というのは現実的ではないので、ある程度のレベルまでを合格とするのが妥当と考えられる。ではどの程度までが合格なのだろうか?基準が開示されてないのでわからない。

(ある製品でノンコメドジェニックテストに関して細かに開示されているのを見つけましたが、ほとんどの製品で開示されていません。)

 

 

現在行われているノンコメドジェニックテストは統一された基準や規定がなく、テスト済みだからある程度いいものです、と言えるものではないと思います。ニキビ治療ガイドラインでもノンコメドジェニックな製品が良いと記載されていますが、ノンコメドジェニックテスト済みの製品を推奨しているわけではありません。

ニキビの人の顔で使った試験報告がある、刺激が少なくてノンコメドジェニックな製品が良いと書いてあるのです。ノンコメドジェニックテストはニキビの人ではなく、しかも背中でするテストなので、ニキビ治療ガイドラインで推奨するものには該当しません。

 

製品選びの指標の一つとしてもいいですが、優先順位は低くていいです。

わたしはノンコメドジェニックテストの有無で製品を選ぶことは推奨しません。テストしてない良い製品はあるし、テストの実情を踏まえると、信頼度は低いと考えるからです。

 

ノンコメドジェニック”テスト済み”の製品が

ノンコメドジェニックな製品ですとは言い難いと思います。

 

大変なんですが、自分の肌、その時の肌に合ったものを探さないといけないんです。それもスキンケアの楽しみの一つかもしれません。

 

 

※個人の見解です。

<前の記事

当院は医療広告ガイドラインを遵守し、
医師監修のもと掲載しております。

page up