コラム 中の人

教えて院長先生シリーズ -4-

さて、前回までにあれほど
『プロに丸投げしちゃダメですよ。自分のなりたい自分ビジョンをはっきり持ってくださいね』
と先生に言われ続けたのにも関わらず、しつこくこんな質問をしてみました!

「シワ、シミ、たるみ、美白と女性が気になる要素は果てしないものですが、先生的にコレは絶対一番気にするべきポイントです!というのがあれば教えてくださーい!」
ささ。院長先生。美容外科医のホンネ、お聞かせください!

院長:女性に一番気にして欲しいポイントですか~。まあ、女性それぞれで気にしないといけないことが違いますからね~。でも、シワ・シミ・たるみ等の個別の悩みは各人で気にしてもらうことにして、一番大事なことは「その人の年齢相応に見えるよう努力すること」だと僕は思います。

中の人:・・・えっ。そ、そんなブッタ切られたらもうこの先話が続かな・・・。

院長:少し話の内容が逸れるように思われるかもしれませんが、少々長い伏線に耐えていただき、僕の話にしばらくお付き合いください。

中の人:わかりました!院長先生のン十年の美容外科医としての渾身のアンサーを拝聴いたします!

院長:よくテレビで「美魔女さん」なんていう方が紹介されてるじゃないですか。うちのクリニックに来られるお客様もそんな「美魔女さん」に憧れて来られる方もおられます。年齢的にすごく若い方でもスマホで憧れの美魔女さんの画像を提示されて「私、将来的にこの方みたいな美魔女になれるように頑張りたいんです!!」ってめっちゃ真剣な顔で切望されるのですが・・・僕的には内心、頑張って「美魔女」さんになれるんだったら、既にその辺りにわんさか居るだろうな~・・・って思いながら、顔を引きつらせて「そ、そうなんですね~。では、今後いろいろ頑張らないとですね~」って返答してるんです。

中の人:”美魔女” この単語!わたくし、一時帰国中にこの単語が大ブームだったことがありました。お友達の女優さんがまさしくこの『美魔女』カテゴリーにピタリな人なんですけど、
「えーっと。なんだっけ?魔女?熟魔女だったかな?なんかそんなふうに呼ばれる人が出てきてるんですよ」
って教えてもらっちゃって、頭の周りにははてなマークがぐるぐる。
「熟・・・え?魔女?何それ?」
と聞くと
「いやー。なんかよくわからないけど、そういう人が増えてるんですよ・・・」
というマヌケなおばさん会話になりましたね。はい。
普通に『熟女』と『美魔女』が混ざって、間違って覚えていたわけですね。彼女は。

院長:(おばさん会話は完全無視で)実は、僕の目指す美容医学論的に「美魔女」さんには全くと言っていいほど興味がないんですけどね。実年齢より若く見られることがそんなに大切なことなのかなっていう個人的疑問はさておき、先ずは一般の方が「美魔女」さんになれるかどうかの話をしていきましょう。
「美魔女」さんと呼ばれる方たちが、日常生活でアンチエイジングに関しては常人の想像を超越するくらいの努力をされていることも、もちろん関与しているはずですが、「美魔女さん」と呼ばれるほど並外れて若く見える場合は、二つ要因の可能性が高い・・・と僕は考えます。もっと有り体に言えば、「真の美魔女さん」と「なんちゃって美魔女さん」が居るってことです。

中の人:うーんなるほど。そうか、院長先生は『美魔女』に興味がないと。全然興味がないと。美魔女とか、もうマジどうでもいいと(そこまでは言ってない)。
そして『美魔女』と呼ばれてる人たちは、日常的に必死のパッチの努力をしているんだろうなー。絶対そうだなー。でもそれ以前になんか2つ、要因があるんだよね。ということですよね。
それって努力以前の問題なのかしら・・・。こ、怖い・・・。

院長:まずは「真の美魔女さん」の場合。 この場合は、遺伝子上のメリットを有する可能性があります。比較的短命な人が多い家系もあれば、それとは逆に長寿家系もありますよね。長寿家系の人は、不摂生な生活をせず過不足の無い栄養摂取と適度な運動を心掛けていれば、その遺伝子の恩恵を被ることができる可能性が高いのです。つまり一般の人より老化(全身の細胞レベルでの老化)が遅い人ってことです。

中の人:うわっ。それはもう遺伝子レベル細胞レベルの話で、本人の意図するところや希望や努力とは、もうぜんっぜん無関係なはるか遠い宇宙の彼方のレベル、神の采配の世界の話になってしまってる感じがして、今や完全に絶望してるんですけど!

院長:(中の人の絶望なんかもう本当にどうでもいい)でも僕は「美魔女」さんが必ずしも長寿に関する遺伝子を持っていると言ってるわけではありません。長寿に関する遺伝情報の発現もあれば、皮膚の健康維持や代謝機能に関して優れた遺伝情報を有する場合もきっとあるでしょう。一般の人がいくら努力をしようと遺伝情報まで上書きすることはできないので、「真の美魔女」さんのように数十歳も若く見られる状況は訪れません。そんな目的で日々頑張ってる人が居るとしたら・・・すぐに諦めた方が良いでしょう・・・。

中の人:・・・ちょ、先生・・・。もうなんか・・・今日晩御飯食べられないかもなレベルで絶望感が・・・。このコラムも『中の人絶望コラム』にタイトルを変えた方がいいような気がしてきました・・・。

院長:このコメントで夢も希望も失い、今までのアンチエイジングへの活力さえも全て失った人もいるかもですね~( ̄∇ ̄)。だがしか~し、諦めるのは早いですよ~。そんな人たちは「真の美魔女」さんになることは諦めて、「なんちゃって美魔女」さんになれば良いのです。

中の人:夢も希望も活力も一斉に失いましたけど・・・。いやその、なんちゃって美魔女!どんなものですかそれは!(超食いつく)

院長:「なんちゃって美魔女さん」になる場合は話が早いです。「化け上手」になれば良いのです。僕が「美魔女さん」っていう人の多くをテレビ等で見て正直思うことは、この人たちって物凄く「若造りが上手」ってことです。実際にカメラでアップに撮ると年相応のしわがあるのが分かることも多いです。

中の人:うわっ・・・。なんかほんとにもう・・・うわっとしか言葉が出ません・・・。

院長:化粧の上手さもそうですが、身に着ける服装や小物類もわざとらしくない程度に若者好みのスタイルにしていることも多いです。人の見た目の年齢なんて、化粧と服装だけでずいぶん変えられるものですよ。

中の人:せ、先生・・・。ここまできてそれはもう、なんか、なんと言いますか、美容外科の有様と真っ向から対立している発言にも聞こえるんですけど・・・多分私の気のせい・・・ですよね?

院長:もちろん、美容外科な治療を受けるのも非常に有効な手段でしょう。「真の美魔女たる遺伝子」を持っていない人たちで、それでもど~しても「美魔女さん」風になりたいって人の場合、このあたりを徹底的に努力すれば、「未来のなんちゃって美魔女さん」になれるかも・・・かも・・・です。頑張れ~٩( ‘ω’ )و

中の人:ああ。ここにきて救いの手が差し伸べられました!ちょっと最後の絵文字で他人事&丸投げしてる感も出てますが、そこはもう気にしないでいきましょう。

院長:でもね、今回の話は「真の美魔女さん」や「なんちゃって美魔女さん」がテーマではないのです。

中の人:えっ。違ってたんですか!?

院長:冒頭でも言ったとおり、「年齢相応」に見られることが一番大事なことだと僕は考えております。日本列島北から南まで、絶対に絶滅危惧種になりそうにないダンゴムシさん程も居る「美容外科医という変わり者の集団」の中でも、僕はかなり特殊な部類かもしれません。だって、来院されて目をキラキラさせながら「私若くなりたいんです!!」というお客様に、僕は平然と「◯◯様は、十分年齢相応にお見受けできますから、特に治療しなくてもいいんじゃないでしょうか」って悪びれる振りさえも見せずに即答してしまうんですから。

中の人:・・・う、わー・・・院長先生〜・・・。

院長:多分僕は、外見上だけの若さを求めることに全く興味がないのでしょう。顔の「シワ」や「たるみ」は、年齢を重ねれば遅かれ早かれ必ず生じるものです。でも僕は、女性であれ男性であれ、年齢相応の「シワ」や「たるみ」は決して憎悪するべき対象にならないんです。ハリウッドの女優さんとかでも僕はそう思います。若かりし時はさぞかし美しかったんだろうと思いを馳せながら、でも今の目尻の深いシワや少々痩けた頬が作り出す哲学的且つアンニュイな扇情的雰囲気なんて、若い人には決して醸し出すことができない美しさだと思います。

中の人:う、うむ。実を言うと、わたくしもその点には大いに賛成なんです。本当に賛成なんですよ。でもこう、なんと言いますか、その辺りの気持ちと同じぐらい強く「ああ。私・・・年取ったなあ・・・」という、あの鏡を見る度に切なくなるあのあのあの、あの!気持ち!アレなんですよアレ。アレが問題。

院長:ちなみに僕はトムが大好きなのですが(←やだな、猫のことじゃないよ、トム・クルーズのことだよ。あまりに好き過ぎて妄想的に自分の昔からの友人のような錯覚に陥ってるところが厨二病かよ・・・あっ、でも僕はサイエントロジストではないですよん・・・笑)、彼は若い時はもちろん最高にカッコ良かったのですが(もちろんみんなもそう思うよね・・・よね・・・)、顔に深く刻まれた「シワ」のある最近のトムなんて、最高にイカしてるよね(ねえねえ、みんなもそう思うでしょ・・・)。

中の人:トムと聞いて猫と連想せず、速攻でトム・ハンクスかと思いました!トム・クルーズ、そんなにかっこいいですかね・・・。私はキアヌの方がバンパイアかと思うぐらい、いつまでも若くてカッコいいな、と5年ぐらい前までは思ってました。今はさすがのキアヌも老けてきて、うーん、そう言われてみればトムの方がいつまでも変わらない度すごいかもしれませんね(超興味がない)。

院長:こほん。んまあ、僕のトム愛はさておき、人は外見的だけ若く見られることに執着するのではなく、その人の歴史・人生を感じさせるような美しさを求めるべきだと思うのです(トム愛の件から何をいきなり話をまとめようとしているのか自分でも謎過ぎる・・・)。

中の人:というか、院長先生がそこまでトムを愛しているという事実に、今かなり衝撃を受けています!

院長:ただ、その人が刻んできた歴史以上の「老け感」が出てしまうのは、僕的には「何にも中身を伴わない空虚で無駄な老け感」と感じてしまうのです。ある意味その人にとっては極めて損な(残念な)状況かもしれません。

中の人:『空虚で無駄な老け』!先生、情け容赦ないですね・・・。今、泣きそうなんですけどわたくし。

院長:意味なく若く見られることを全然良いことだと思わない僕でも、流石にそんな老けには賛同はしかねるので、その老けて見られる原因が何か探し出して、それが僕の仕事で叶えてあげられるものなら是非とも協力したいものです。
年齢相応に見られるように、男なら「知的にカッコ良く」、女性なら「知的に美しく」年老いていくことができれば、僕は最高に素敵なことだと思います!!

中の人:いやー。ビシバシ切り刻まれてもう本当に死んだかと思いましたが、グッと盛り返してきました。
前にも書きましたけどね。子供の頃、ジョン・レノンとオノ・ヨーコさんが抱き合っている写真を見て、
『オノ・ヨーコさんの目尻の皺が優しくて美しい。私もこんな風に年を取りたい』
と思ったんです。
本当にそう思ったんです。
自分のお肌がツルッツルのモッチモチだった時に。
実際に自分の老けをヒシヒシと感じ始めた今、目尻の皺が美しいとかふざけたことを言っていたあの頃の自分に往復ビンタしたいと思ったりもしましたが、そうか、幼かった私は正しかったんですね。うんうん。
私が大好きなポール・マッカートニー(もう古すぎて誰もついて来られない)なんて、80歳になって見た目はイギリス人のお婆さんみたいになってきたけど、私の目にはこの世で一番カッコよく見える。それは彼が年齢なりの老けにあらがわず、自分を受け入れて、やりたいことをどんどんやって、健康でハッピーなライフスタイルを貫いているからなんですね。
ここにきて、美容整形外科医の真の存在意義がグッと心に迫ってきました。
無理に改造したり、不自然な若作りを目指すのではなく、外面的にも内面的にもエレガントな歳の重ね方をしていくお手伝いを。 ということですね。
納得しました、院長先生!

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