コラム 中の人

院長：今回はいわゆるスレッドリフトに関するご質問ですね。
スレッドリフトに使用する糸には「吸収糸」と「非吸収糸」があるんですが、エクストーシスのように、糸の棘によって物理的に引っ掛けて上げる方法では、基本的に「非吸収糸」を使用します。この種の溶けない糸を使用したスレッドリフトでも、施術を受けた方が引き上げ効果を実感できるのは数年程度なんです。

院長：ただ、今までの処置経験による個人的見解ですが、溶けない糸の場合、効果がゼロになることはなさそうです。処置当初の最大効果の1割～2割は長期的に維持されると考えてます。ただ、一定以上程度の引き上げ効果を維持しようとすれば3～5年毎くらいに定期的な処置が必要になるでしょう。やっぱり重力には逆らえないんですよ。この辺りがスレッドリフトの限界なんです。これが溶ける糸の場合だと約半年から1年程で吸収されてしまうので、その時点で引き上げ効果は無くなってしまいます。

院長：切るフェイスリフトですか・・・最近はほとんど需要がないですね～。
この20年くらいで、いろんな種類のスレッドリフトが市場に出回り始めると同時に、切るフェイスリフトを希望する人はどんどん減少したって感じですね。効果持続期間は確かに長いですが、切ればダウンタイムも長いし、合併症のリスクもある大袈裟な手術をしなくても、必要と感じる時に何年かだけでも・・・って考えを持つ人が増えてきたんでしょうね。
さて。糸のリフトに話を戻しますが、なるべく効果を持続させるためには「非吸収糸」を使用する方が良いのです。でも、人によっては非吸収糸が残り続けるのを好まない方も居られるので、効果が１年程度で無くなったとしても、何らかのイベント目的で一時的な効果でも構わないって方には、吸収糸によるエクストーシスも「有り」かもしれませんが。

院長：（中の人のバカさ加減は無視して）よく、溶ける糸のスレッドリフトで「吸収する時にコラーゲンが生成されるので、糸が溶けたあとも効果が持続する…」ってな感じの怪しさ炸裂の広告宣伝も見かけますが、実際はそんな効果は全くありません。確かに、生体内で吸収糸が溶ける際に多少の線維類の生成はあるかもしれませんが、その程度で皮膚のハリが出たり、ましてや皮膚が重力に逆らって持ち上がる訳がないんです。これは溶けない糸でも同様で、そんな都合の良い現象は起こりません。「糸を入れてると、あるいは糸が溶ける時にコラーゲンが増えて云々」っていうのはほとんど霊感商法レベルの話ですので、こんな見てきたような嘘を平気で宣う医者は信用しちゃダメっすよ～。